資産防衛の日々

専業投資家:独自のルールに基づき割安成長株に中長期投資をしています。臨床工学技士として病院に勤めて4年後に「専業投資家」として独立。宝塚ファン。

損失確定にネガティブなイメージを持たないこと。

ビギナーの方から「損しないのですか?」と聞かれることがありますが、もちろんしょっちゅう損失確定をしています。私の場合、保有する理由がなくなったり、当初描いていたストーリーが崩れれば、躊躇なく株を売ります。それは利益が出ていようが損失が出ていようが関係ありません。売るべき時は取得価格は関係ないのです。仮に売るときに損失が出ていればあくまでビジネス上のコストだと考えています。ビジネスにコストはつきものです。私は損失確定に対してあまりネガティブなイメージを持っていませんし、持つべきじゃないと思っています。ネガティブなイメージのせいで、売る必要があるときに躊躇してしまう危険があるからです。もちろん私の考え方です。


f:id:picul:20200704181146j:plain
アールグレイのフラペチーノトールサイズです。アイスコーヒーばかり飲んでますが、たまにフラペチーノが飲みたくなります。アールグレイのフラペチーノは爽やかで喉が潤い疲れも吹き飛びます。おすすめです。

日常日記。モッツァレラバーの平日ランチ、吉野家、ドトール。

■月曜日、モッツァレラバー、リッツカールトン

f:id:picul:20200702121634j:plain
f:id:picul:20200702121722j:plain
f:id:picul:20200702121734j:plain
f:id:picul:20200702121741j:plain
f:id:picul:20200702122319j:plain

久しぶりに日常日記を書きます。月曜日ハービスENT5階にあるモッツァレラバーです。ランチはシンプルな味付けのサラダとモッツァレラが食欲をそそり、ボリュームたっぷりのピザも完食できました。平日限定のランチで2,200円です。飲み物はクーポンを使うことで26種フリードリンクが半額の1,250円とお得でした。お得と言ってもランチと合わせて3,450円ですのでそれなりの値段ですね。プレミアモルツ、スパークリングワイン、ジントニックをいただきました。料理のタイミング、飲み物の確認など、整った接客でした。食後はお気に入りのリッツカールトンでお茶をしました。帰宅は夕方です。

■オービカ モッツァレラバー 梅田店
050-5592-8314
大阪府大阪市北区梅田2-2-22 ハービスPLAZAENT 5F
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27094727/

■ザ・ロビーラウンジ/ザ・リッツ・カールトン大阪
大阪府大阪市北区梅田2丁目5番25号 ザ・リッツ・カールトン大阪1F
https://restaurant.ikyu.com/101378/

■火曜日、カフェブレイク、吉野家

f:id:picul:20200702124425j:plain
f:id:picul:20200702124206j:plain
f:id:picul:20200702124157j:plain
火曜日の午前中はカフェブレイクで仕事をしました。この日は朝起きた瞬間から、やる気が出にくかったのであえて梅田まで出て投資の仕事をすることにしました。ランチは吉野家です。友人から吉野家のギフト券をいただいたので、カルビ丼美味しく食べました。愛想が良くて非常に気持ちの良い接客で驚きました。13時ごろ帰宅しました。

■カフェブレーク ホワイティ梅田店
06-6312-4070
大阪府大阪市北区曽根崎2 ホワイティ梅田(地下街売店6312-5662)
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27013839/

■吉野家 新梅田食道街店
06-6360-6065
大阪府大阪市北区角田町9-17 新梅田食道街 1F
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27041671/

■水曜日、ドトール

f:id:picul:20200702124745j:plain
水曜日はドトール天満橋店で仕事をすることにしました。仕事用のマンションを5年ほど前に購入したのですが、私の場合カフェの方が集中できます。ライブ感があって、外には集中力が途切れる娯楽がないからです。会社に属せず、取引関係もなく、他者の力を必要としないで金を稼ぐようになると、ダラけようと思えばいくらでもダラけることができます。規律が必要でない世界では自分で考えて日々の生産性を上げることが大切です。12時頃に帰宅しました。

■ドトールコーヒーショップ 天満橋店
06-6966-2252
大阪府大阪市中央区谷町1-5-1 近畿税理士会館大同生命ビル 1F
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270104/27060155/

■木曜日、スターバックス

f:id:picul:20200702131851j:plain
そして、本日木曜日はスターバックスで仕事しており1軒目は谷町筋NSビル店です。テラス席で仕事していましたが、10時30分頃からやたらと蚊に襲われたのでそれを機に移動することにしました。2軒目に行く前にジュンク堂で本を買いに行きました。今は2軒目で仕事していますが、まだ店内にいるのでセキュリティ上写真は掲載できません。写真撮るの忘れましたが、今日のランチは家から持参した野菜ジュース、クルミとピーナッツ、ゆで卵を公園でいただきました。普段のランチは家から持参しています。一円の節約は一円の儲けと同じです。お金の使い方が荒くなると投資にも影響が出ますし、幸せの閾値というのは上がっていくものです。少ないものでも今あるものを大切にしていると不思議と幸せに感じますし、時には贅沢に過ごすことで新しい発見も生まれます。仕事の装備はiPhone、iPad、会社四季報、AirPods、WiMAX、充電器です。ニュースや読書でインプットした内容をEvernoteにアウトプットして情報整理したり、会社四季報を読んでいます。あとで、仕事用のマンションで書類整理するので夕方に帰宅予定です。

暑くなってくると何故か水族館に行きたくなります。2歳8カ月の息子は魚が大好きで、見るのも食べるのも好きです。週末は京都水族館に連れて行こうと思います。オリックスの株主優待で京都水族館年間パスを持っていますが、この一年はあまり利用する機会がありませんでした。今年も取得するつもりなので、次の年間パスはたくさん利用したいと思います。

選択時、知らない人の評価や口コミはゴミ。低い評価の映画が悪い作品というわけでない

【1】知らない人の評価や口コミはゴミ

知らない人の評価や口コミは基本的にゴミです。(ゴミという表現は良くありませんが、分かりやすくするためにあえてゴミと言っています) なぜなら、それぞれの好みや背景が違うからです。自分と同じような、好みを持っている人がいて、その人の評価や口コミを参考にするなら意味があります。しかし、知らない人の口コミは読む価値なしと言っていいくらいです。もし、知らない人の口コミを読む場合は、その人の主観ではなくて、客観的な事実だけを読むとよいでしょう。それが客観的な事実の保証はありませんが、最初から事実でないことが分かっている文章を読むよりマシです。もちろん、ビジネスで考えるなら、そう言った知らない人の評価や口コミも役に立つ情報となります。そこから改善のヒントや新しい発見が生まれるからです。しかし、自分が何かを選ぶ立場の場合、知らない人の口コミは役に立ちません。(事実は役に立ます)

【2】低い評価の映画が悪い作品というわけでない

例えば、映画を選ぶときに、評価や口コミを見ることがあると思いますが、低い評価の映画が悪いわけではありません。それは、マニアックであったり、難解で観る人の力が試される映画のこともあります。一部の人に響く映画の可能性もあるのです。逆に、評価の高い映画は多くの人に響く映画だから高い評価を受けていることです。必ずしも自分に響くというわけではありません。いずれにせよ評価や口コミは、知らない人たちの美人投票です。評価や口コミに惑わされないで、自分の価値基準で選ぶことが大切です。低評価の作品が必ずしも悪いわけではないのです。

【3】食べログで評価の低い店が、評価の高い店に負けているわけではない

食べ物でも一緒です。例えば、食べログで評価の低い店があっても、それだけで判断するのは間違っています。食事も芸術と同じで、それぞれの好みや背景によって好みが分かれるので、美味しいという感覚はその人の感覚であって、絶対的なものではないからです。そもそも味覚というのは、舌の表面にある味蕾(みらい)という器官が役割を果たしています。味蕾の機能は子供の頃から年々衰えていきますが、そこに人生での記憶(経験)が大きな役割を担い、美味しい不味いに発展していきます。美味しい不味いというのは、味覚の味蕾だけではなくて、人それぞれの記憶や経験、文化的背景、嗅覚、視覚など、他にも色々ありますが様々なセンサーで総合的に判断するのです。例えば、「お母さんのカレーが一番美味しい」、「お母さんのカレーより○○のお店が一番美味しい」、濃い、薄い、コクがある、ありすぎる。などなど。さらに、食べる場所も関係してきます。完全に同じ料理でも、雑然とした店で食べるのと、洗練された店で食べるのでは、多くの人は味に違いが出てくるのです。

さて、ここで二人の人物を例に考えてみます。一人目は、それぞれの器官が生物学的に優れおり、長年シェフをしているので日々味覚や味の表現が鍛えられています。二人目は今までのライフスタイルにより様々な器官が衰えています。この場合、どちらが正しいとかではありません。例えば、二人目の人が、一人目のシェフが作った料理を美味しくないと思いました。この場合、それはそれで事実です。そう感じた事実です。もちろん、味覚が衰えている、味を経験していないのが悪いという価値基準を持っている場合、それはそう判断する人の自由ですが、「正しい、悪い」と判断するのは、人それぞれの感じ方や考え方の自由を奪うことになります。それぞれの判断があっていいのです。

ですので、日本一美味しいお店という表現は、実は間違っていて、「私にとって日本一美味しいお店」、「人気投票で日本一のお店」という表現が正しいのです。日本一のお店は人それぞれ違って当然なのです。なので、人と人が集まって、どちらのお店の方が美味しいという話でヒートアップしている状況は全く意味がないのです。それぞれの美味しい店を語って、たまたま共感し合うならよいです。

【4】まとめ

何でも口コミで判断していると、自分の基準ではなくて、他人基準になります。他人基準でも良いという考え方もあるかもしれませんが、他人基準を中心に人生を歩んでいると、本当の自分を失っていきます。これは映画や食事だけの話ではありません。自分自身にも当てはまります。周りからの評判を気にして生きていると、本来の自分を見失います。評判は所詮幻です。本来の自分の姿を好きになってくれたらそれでいいのです。気に入ってもらおうと思って、自分以外の何かを表現している自分は幻であって、本当の満足感を得ることはできません。他人の目から自由にならないと、一生他人の奴隷です。いつかは死にます。何のために生きているのか。どうありたいのか。考えることで、日常の過ごし方も変わってきます。


f:id:picul:20200626125109p:plain
お気に入りのスターバックスにて。ちなみに私はコメダ珈琲の居心地は好きですが、コメダのコーヒーは私の好みではありません。スターバックスコーヒー、トラジャ 、上島珈琲のコーヒーが好きです。私は日頃から、不味いという表現を使いません。口の中が明らかに不快になるときには不味いなと心の中で感じますが、あくまでベースは私の口に合わない。好みではない。といった表現をします。

株価の先行きを読まない。

【1】企業分析の限界を超える

私は株価の先行きを読みません。もちろん自分にとって妥当な株価は考えますが、あくまで現時点の株価が企業価値に対して安ければ買い、高ければ売るだけです。それは一度にまとめて取引するのではなくて、分割で売買することを基本としています。なぜなら、株価は企業価値に収束しますが、大抵の場合は大きく上下にブレるので、正確な分析をしてもあまり意味がないからです。そもそも業績を詳細に分析したところで業績数値もブレます。よって、企業分析はおおよそ正しければいいのです。そのため、分割で売買して、企業分析の限界を超えます。

【2】株価の先行きを読まない理由

株価の先行きを読まない理由は、株価が来週上がるか下がるかは分からないからです。もちろん分かる人もいるかもしれませんが、私は分かりません。分かるのは今の株価が企業の価値に対して安いか高いかだけです。その価値に対して、株価が来週上がろうが下がろうが関係ありません。なぜなら、中長期的には株価は企業の価値に収束するからです。まともな値段で企業の株を買っていたら企業が勝手に資産を増やしてくれます。売買して損をすればそれは勝手に損をしているだけで企業に責任はありません。せっかく毎日従業員が頑張って働いてくれて、企業価値を高めてくれているのに、下手な売買で損をしたら意味がありません。ですので私の場合、売買は必要最低限にしています。主な売買は①新規で株を買うor株の買い増し、②分割利益確定や買い戻し、③銘柄入れ替え、④保有する理由がなくなった。(利益確定or損失確定)などです。

【3】主な売買理由

①新規で株を買うor株の買い増し
私は常に一定の現金比率を保ちたいので、新規で株を買う場合や買い増しの場合には何かを売却すべき時があります。もちろん現金比率が高くて現金が余っていれば売却する必要ありませんが、自分が考えている現金比率を下げてまで株を買いません。現金は、今年のようなクラッシュの時に備えておきたいのです。自分が理想的な現金比率は10〜20%です。理想であって、現実は現金が5%を切ることもありますし、現金が30%くらいになるときもあります。それは弱気強気というわけではなくて、保有すべき株が多ければ必然的に現金が減り、株を手放せば手放すほど現金比率が上がるのです。「今後株式市場が上がるから現金比率を下げる。今後株式市場が下がるから現金比率を上げる。」というわけではありません。

②分割利益確定や買い戻し
企業の価値に対して、株価が割高になってくれば分割で利益確定していきます。長期保有で考えている場合、分割で売らないこともありますが、基本は分割利益確定です。そして、再度割安か適正株価になれば買い戻します。

③銘柄入れ替え
ポートフォリオのなかで保有している銘柄よりも魅力的な銘柄があれば入れ替えます。

④保有する理由がなくなった。(利益確定or損失確定)
当初描いていたストーリーが崩れたり、割高になれば利益確定します。損が出ていれば損失確定します。利益か損失は単なる結果です。売買する理由にはなりません。

【4】まとめ

以上のように、株価が上がるであろう。下がるであろう。などは関係ありません。先行きを読まないのです。今後株価が上がろうが下がろうが、それはどうでもよくて、必要な時に必要な量だけ売買するだけです。自分にとって予想は害でしかありません。これは自分にとってであって、他の人に当てはまるわけではありません。あくまで私のやり方です。

【5】追記

f:id:picul:20200624085257j:plain
ジョーテラス大阪のスターバックスです。大阪城や川に囲まれており最高のロケーションです。大阪市内のスターバックス、タリーズ、ドトールを移動オフィスにしています。それぞれお気に入りの店舗があって、ジョーテラスのスターバックスはお気に入りの一つです。午前中のインプットが捗ります。午前中の主なインプットは各新聞(電子版)、適時開示、書籍などです。

ディズニープラス日本上陸。Hulu、Netflix、Amazon、U-NEXT、ディズニーデラックスとたくさん利用してるので強みは分かります。

f:id:picul:20200611210505p:plain
toyokeizai.net

昨日、ディズニープラスが日本上陸しました。すでにディズニーデラックスという同じサービスがあったのですが、あまり認知されてませんでした。今回、新たにプロモーションを打ち、さらにCOVID-19による巣ごもり消費の流れは追い風になるでしょう。

少し私の話になりますが、映画好きなのでHuluが日本に上陸してすぐに契約したのを覚えています。解約してもログインできるので、アカウント情報を見てみると契約が2011年9月4日でした。Huluが2011年日本上陸した年に契約していたようです。ここが私のSVODの始まりなのです。ちなみに、SVODとは「Subscription Video On Demandの略で定額動画配信の意味です。

私は新しいテクノロジーやサービスが始まるとなるべく早く利用するようにしています。そうすることで投資のアイディアが一早く浮かんだりすることがあるからです。そもそも投資家は、そうでない人たちに比べてかなり情報に敏感ですので、多くの人が実践していると思います。慣れてくると、これはヒットするな。とか、このサービスは時流に乗っている。とか自然にアイディアが浮かんできます。大切な習慣です。

話を戻すと、Huluを数年利用しているとNetflixが日本にやってきました。Netflixの魅力に惹かれて、Huluを解約してNetflixに契約しました。Amazonのヘビーユーザーだったのでそのままプライム動画とNetflixを楽しんでいました。基本はNetflixとAmazonで事足りますが、最近はU-NEXT(株主優待)も登録してNHKのドキュメンタリー番組を観てます。

そして、ディズニープラスが始まりました。そもそもディズニーデラックスを1ヶ月無料登録してたので大体強みは分かります。やはりコンテンツが豪華でそれ自体が強みです。ディズニーだけでなく、ピクサー、スターウォーズ 、マーベルなども観れて、とくにアニメは子供が大喜びです。コンテンツ自体は素晴らしいのですが、無料期間の間に解約します。

#5 業績と財務:中長期投資マニュアル

f:id:picul:20200610165226p:plain

【1】注意事項

1.当記事は2017年3月14日Amazonで出版した「中長期投資マニュアル」をアップデートしていく連載となります。アップデートする理由としては、伝えきれていない箇所がたくさんあると感じたからです。このままでは個人的に気持ち良くないので、現在出版を止めています。ブログで内容をアップデートしていきます。

2.ベースは中長期投資マニュアルと変わりません。

3.中長期投資マニュアルはあくまで私のマニュアルですので推奨するものではありません。私のやり方で使えると思った箇所だけ使ってもらえればと思います。私が正しいわけではありません。投資家それぞれ勝ちパターンを持っているからです。自分のやり方を大切にしてください。

4.各記事で銘柄を挙げることがありますが推奨ではありません。2017年3月出版時に掲載した銘柄も再度検証します。しかし、それだけでは古い感じが残ってしまうので、新規の銘柄も掲載します。


【2】今回の記事で例に挙げる銘柄

[2017年3月出版時掲載銘柄]
ステップ(9795)

[2020年6月追記銘柄]
JBCC(9889)

【3】業績が良い会社

私の場合、中長期投資では業績が良い会社を選びます。株価は短期的には需給ですが、中長期的には企業価値に基づいて形成されるからです。しかし、これはあくまで基本ルールです。見かけ上の業績や財務が悪くても、会社の状況が大きく変わっていたり、一時的な業績悪化で株価が叩き売られていてバーゲンセールになったりと、業績や財務が悪い会社にも投資すべきタイミングがあるのです。

さて、基本ルールとして、業績が良い会社を選ぶのですが、このままではあまりにも抽象的です。ですので、私にとって業績が良い会社の定義を書いておきます。

私にとって業績が良い会社。それは、「業績が”ほぼ一貫”して右肩上がり」の会社です。

あたりまえのことですが、だからこそ重要です。業績の浮き沈みの激しい会社は基本的に投資対象外です。業績が右肩上がりの会社は、何らかの強みを持っている可能性が高いと言えます。つまり「ビジネスモデルが良い」可能性が高く、むしろ、強みがあるからこそ右肩上がりの業績をたたき出していると言えます。もちろん、過去に多少伸び悩んでいても問題ないこともあります。例えば、将来のために先行投資したことで、一時的に利益率が低迷した場合、見た目の業績は悪いですが、中身は良くなっていることがあります。他にも、一時的な事業環境悪化などもあります。それらを調査するには、過去の決算短信や有価証券報告書などIRで確認します。

業績を見るときは「少なくとも過去3~5年分」「今期予想」「来期予想」の業績推移を見ます。今期予想と来期予想の数値は、基本的には会社四季報の数値をそのまま使いますが、会社側が決算短信などで最新のもの発表している場合、その内容も考慮して考えます。会社四季報の数値は強気過ぎるかもしれないし、反対に弱気過ぎるかもしれません。会社の情報から、会社四季報の予想数値の妥当性を確認できます。株価は、半年から一年以上先を予見して動くので、将来の業績予想は重要です。 しかし、会社や四季報予想はあくまで予想です。四半期ごとの決算や事業環境などから、予想を上振れるのか、下振れるのかどうかも考えるべき項目です。


■それぞれの業績をチェック

①売上高が「ほぼ一貫して右肩上がり」であるか売上高が伸びないと利益を伸ばすことが困難になります。利益が伸びないと株価も上昇しません。売上高は低成長であっても毎年着実に伸びていれば安心できます。「売上高の伸び率が 10%以上」なら高成長企業と言えます。

②営業利益が「ほぼ一貫して右肩上がり」であるか営業利益が伸びているということは本業が順調ということです。売上高が伸びていても営業利益は横ばい、ということがあります。この場合、コスト高を吸収できていないなどが考えられます。「売上高営業利益率」が高いほど、会社の稼ぐ能力が高く、「売上高営業利益率が 10%以上」なら高収益企業と言えます。

③経常利益が「ほぼ一貫して右肩上がり」であるか本業以外の収入と支出を差し引いても、利益が安定しているか確認します。「営業利益とほぼ同額」であることが望ましいです。経常利益伸び率は、営業利益伸び率とほぼ同じように成長していることが望ましいです。

④純利益が「ほぼ一貫して右肩上がり」であるか純利益は株主に残された利益で、この純利益から様々な株主還元が行われます。純利益も右肩上がりに上昇していることが大切です。なお、純利益では特別損益が加わることがあります。これに注意し、一時的な要因の有無を確認する必要があります。

⑤ 1株益が「ほぼ一貫して右肩上がり」であるか 1株益は 1株あたりの価値をみるための重要な数値です。 1株益は、株価が割安か割高かどうか知るためのPERに直結します。


2017年3月出版時掲載のステップ(9795)は学習塾を神奈川県でドミナント展開している会社です。当時、売上高と営業利益は右肩上がりで、企業価値の向上に基づいて株価上昇が形成されました。 2011年9月の株価終値は485円だったのが、2017年3月株価終値は1,531円です。その後も業績が拡大して2018年1月には1,977円の高値を付けています。直近、2020年9月期予想はCOVID-19の影響を受けて一時的に悪化しています。2020年5月株価終値は1,460円です。

[2020年6月追記銘柄]JBCC(9889)は2017年3月期売上高832億7200万円、営業利益18億5500万円、2018年3月期売上高631億700万年、営業利益20億6000万円、2019年3月期売上高588億9900万円、営業利益26億3100万円、このように減収、増益のトレンドでした。売上高が毎年減っていたので、見栄えは良くありませんでした。しかし、実は利益が出るセグメントを成長させるための構造改革だったのです。それは当時の会社計画であきらかでした。その構造改革に伴い、株価も2017年3月株価終値781円だったのが、2020年1月2,157円まで上昇しています。ついに、2020年3月期は売上高656億1800万円、営業利益34億6100万円と大幅に増収増益となりましたが、COVID-19の影響で、2021年3月期予想は売上高550億円、営業利益17億円と大幅に減収減益予想となっています。これら一時的な要因を乗り越えて、会社を成長させることができのかどうか調査することで、また勉強になるのです。ここで大事なことがあります。「会社計画なんて信じれないんじゃないの?」と言われるかもしれませんが、そこは投資家の仕事です。会社計画が信頼に値するのか調査するのです。それは過去のトラックレコードや、直近の四半期決算から通期の進捗率を調べたりするのです。さらに事業環境を考えることも大切です。会社計画を鵜呑みにするのではなく、そこから先を考えるのが投資家の仕事です。

【4】財務が良い会社

財務が良い会社は倒産しにくいといえます。たとえどんなにビジネスモデルや業績が良くても、倒産すれば意味がありません。倒産すれば株の価値は無くなります。このため、財務はしっかりとチェックします。ですが、監査をするわけではなく、あくまで株式投資なので、ざっくりと考え理解することが大事です。さらに、これはあくまで基本ルールです。見かけ上の業績や財務が悪くても、会社の状況が大きく変わっていたり、一時的な業績悪化で株価が叩き売られていてバーゲンセールになったりと、業績や財務が悪い会社にも投資すべきタイミングがあるのです。

■キャッシュフロー( CF)をチェック
①営業CFがプラスであるか営業 CFがマイナスの会社は投資しない方が無難です。できるかぎり、営業 CFがプラスになっている会社を選びます。営業 CFがマイナスということは、売上を回収できていないかもしれませんし、在庫をたくさん抱えているかもしれません。純利益は黒字でも営業 CFがマイナスだと、会社に実際にはお金が入っていません。会社の資金繰りが悪化し、事業を継続することが難しくなることが考えられます。もちろん「営業 CFがマイナスだから悪い会社」と決め付けることはできません。もしかしたら、将来を先取りして一時的に在庫を増やしているだけかもしれませんし、ビジネスの仕組み上一時的に営業 CFがマイナスになる会社もあります。しかし、中長期投資は小さなリスクであってもできるだけ排除することが大切です。営業 CFがマイナスの場合でも投資対象にするのは「この会社のビジネスモデルなら、営業 CFがマイナスになっても大丈夫」ということを理解できた場合に限ります。

②営業 CFのプラス分で投資 CFのマイナスを補えるか営業 CFのプラス分で投資 CFのマイナスを補えるということは、本業の儲けの範囲内で設備投資などをできている言え、ビジネスのサイクルが問題ないことを表しています。なお、今後の成長のために、一時的に投資 CFのマイナスが上回っている場合があります。この場合、会社の将来を考えると許容できると判断できます。ですが、それが常態化していれば要注意です。一つの目安として「 4〜 5年」です。これ以上続いていると、その会社のビジネスモデル自体に疑問を持つことになります。本業の儲けたお金を、永遠に設備投資しないといけない会社は欲しくありません。

■倒産しにくい会社を選ぶために、自己資本比率をチェック自己資本比率が高いほど、経営が安定し倒産しにくい会社と言えます。一方、自己資本比率が低いほど、不安定な会社経営を行っているということが言えます。自己資本比率は業種によって違いがあることから、同業種内での比較も有効ですが、一般的に「自己資本比率 40%以上」なら倒産しにくい会社といえます。最低ラインは「自己資本比率 20%」です。 20%を下回ってくると、将来的に経営が困難になる可能性が高くなるためです。もちろん、業種によってはその業種自体の自己資本比率が低いことがあるので、一概に線引きすることが良いとは限りません。ですが、自己資本比率が高めの会社を選ぶことでリスクを軽減できます。そもそも、自己資本比率が低いということは負債多いので、いざというときに資金繰りが苦しくなります。中長期投資では不安定な会社を避けるために、「自己資本比率 20%」をクリアしている会社にします。 もちろん、これは基本ルールであって、会社によってはこの20%ルールを撤廃することがあります。

■純有利子負債は営業 CFの10倍以下か有利子負債とは、会社が利息をつけて返さなくてはならない負債のことです。多すぎる有利子負債は、経常利益を圧迫し、最終的な利益の純利益までをも圧迫します。そうなると、株主還元するためのお金が減ってしまうため、株主にとってもデメリットです。さらに、経営の自由度も奪うことがあります。有利子負債は、現金同等物(手元資金)を差し引いて考えることができます。いざとなれば、いつでも手元資金を用いることで有利子負債を返せます。このことから、有利子負債から現金同等物を引いて「純有利子負債」を求めます。仮に、有利子負債 100億円、現金同等物 100億円の場合、実質無借金状態といえます。純有利子負債は営業 CFの 5倍以下が理想的ですが、 10倍以下でも許容することができます。例えば、営業 CFが 100億円プラスの場合だと、純有利子負債は 500億円以下であれば理想的で、 1,000億円以下であれば許容範囲内と考えることができます。

#4 売上成長余地:中長期投資マニュアル

f:id:picul:20200610141600p:plain

【1】注意事項

1.当記事は2017年3月14日Amazonで出版した「中長期投資マニュアル」をアップデートしていく連載となります。アップデートする理由としては、伝えきれていない箇所がたくさんあると感じたからです。このままでは個人的に気持ち良くないので、現在出版を止めています。ブログで内容をアップデートしていきます。

2.ベースは中長期投資マニュアルと変わりません。

3.中長期投資マニュアルはあくまで私のマニュアルですので推奨するものではありません。私のやり方で使えると思った箇所だけ使ってもらえればと思います。私が正しいわけではありません。投資家それぞれ勝ちパターンを持っているからです。自分のやり方を大切にしてください。

4.各記事で銘柄を挙げることがありますが推奨ではありません。2017年3月出版時に掲載した銘柄も再度検証します。しかし、それだけでは古い感じが残ってしまうので、新規の銘柄も掲載します。


【2】今回の記事で例に挙げる銘柄

[2017年3月出版時掲載銘柄]
竹本容器(4248)
ピックルスコーポレーション(2925)

[2020年6月追記銘柄]
イオンモール(8905)

【3】売上成長余地を確認する

売上が増えるからこそ利益を増やすことができます。売上が増えなくても、経費削減などで利益を増やすことは可能ですが、いずれ限界が訪れます。だからこそ、売上の成長余地があることが必須です。売上が頭打ちになれば、利益も頭打ちになり横ばいが続くことになります。利益が横ばいになれば、多くの場合株価も横ばいのままです。売上成長余地がないと、ビジネスモデルが良いとはいえません。短期的には様々な外的要因により株価が上下することがありますが、中長期的には会社の利益に沿う形になります。つまり、中長期投資を考えると売上横ばいの会社は投資対象外になるのです。

もちろん例外もあり、必ずしも売上成長余地が必須とは言えません。見かけ上の売上が横ばいや減収傾向でも、中身は筋肉体質になっており、利益率を高めているフェーズもあるからです。会社内のセグメント単位でみると、急成長セグメントを発見することもあります。今回はあくまで原則の話をしているのです。

2017年3月出版時掲載の竹本容器(4248)はプラスチック容器の会社です。国内だけでなく、欧米やアジアにも進出しているので売上成長余地があると考えます。2017年3月株価終値886円だったのが、2018年8月株価高値1,930円までありましたが、2020年5月株価終値は742円です。同社の金型は着実に増えており依然と売上成長余地がありますが、業績は横ばい傾向です。後々説明する、分割利益確定と継続した調査の重要性がわかります。株は買って終わりではないのです。

2017年3月出版時掲載のピックルスコーポレーション( 2925)はキムチや漬物の会社です。国内市場は横ばい縮小傾向ですが、その中でも売上を拡大し続けています。実は、キムチや漬物を販売している国内業者は、そのほとんどが小規模業者です。多くが家族単位での経営です。商店街や京都に行けばわかりますね。その市場の中でシェアを伸ばしていける場合は、「売上成長余地がある」と考えることができます。その後事業環境は変わっておらず、売上と利益は増加トレンドです。業績のトレンドと同じように、2017年3月株価終値1,348円だったのが、2019年12月株価高値2,670円まで上昇しました。2020年5月終値は2,299円です。長期的に株価は上昇トレンドでしたが、当然一直線ではなく、上下に振幅しながらです。よって、分割利益確定や継続した調査は当然重要です。

(2020年6月追記銘柄)イオンモール(8905)は国内外でショッピングモールを運営しており、営業収益の大半は賃料収入です。中国ASEANが成長しており、国内では熾烈なショッピングモールの競争で勝ち残り残存者利益を得ています。国内外で順調に儲かるモール作りをしており、出店余地などから、売上成長余地があります。会社計画では、2025年度営業収益5,000億円、営業利益1,000億円を目標としています。直近、COVID-19による、ショッピングモールの営業休止、最低家賃の仕組みを免除など、パンデミックの影響をモロに受けており、今期の業績は厳しいものになるでしょう。2020年5月の株価終値は1,515円です。

【4】ビジネスモデル分析の流れ

ビジネスモデルが良いかを分析する前に、その会社がディフェンシブ株なのか景気循環株なのか考えます。このことを知っておくことで、何に気をつけて会社を見ていけばいいか分かるようになります。ディフェンシブ株であれば個別銘柄の分析を重視し、景気循環株であれば個別銘柄の分析だけでなく、景気の動向も気にする必要があります。このことから、景気循環株は割安に見えても注意しないといけません。景気の影響により利益が急減することがあり、それを予測することは難しいからです。このことから、景気循環株は上級者向けと言えます。自信がない頃は「ディフェンシブ株もしくは両方の特徴を持つ株で、安心感のあるビジネスの会社だけ狙う。」といった戦略も一つです。

その会社のビジネスの特徴が、ディフェンシブなのか景気循環なのかがわかったら「ビジネスモデルが良い」かを分析していきます。まずは「ビジネスに強みがあり、儲けの仕組みがしっかりしている」かを考えます。 IR情報、アナリストレポート、ホームページなどから調べたり、可能であれば実際に製品やサービスを利用したりして「何が強みで、儲けの仕組みがどうなっているのか」を考えます。慣れるとすぐに強みを発見できるようになります。

初めの頃は時間がかかったとしても、しっかりと調べて考えることが大切です。次に「売上成長余地がある」かを考えます。ここではまず、国内での売上成長余地があるかどうかチェックします。すでに国内市場で製品やサービスが普及している場合、次に海外展開をしているかをチェックします。海外展開していない場合でも、今後そのような計画があるのか調査します。海外展開すると、売上成長余地が格段に拡がるからです。このような流れでビジネスモデルを分析していくのです。

損得で付き合う人間関係は生ゴミと一緒:picul Lifehack 投資家のライフハック

f:id:picul:20200806234631j:plain

人は、誰かと話したり友人関係になる上で、無意識下で損得計算することがあります。「この人と友人になればどんなメリットがあるやろう。有名な人やから仲良くなりたい。この人は金持ちや。凄い人や。」色々な感情が無意識下で働いています。実際、人付き合いしていればわかります。貧乏な人や社会的地位が低い人をぞんざいに扱って、金持ちや有名な人ほど、大切にしようとする人をよく見ます。しかし、そういう小ざかしい損得計算を続けていれば、真の友人は見つかりませんし、いずれ自分にも死が訪れることを考えれば虚しさしか残りません。さらに、損得関係しかない相手は生ゴミと一緒で、メリットがなくなればすぐに腐って消えていきます。必要ないから捨てるのです。しかし、それは裏返せば自分も損得関係の付き合いをしているので、自分も生ゴミと一緒なのです。


自分がのし上がるために、仕方なく損得計算をして人付き合いしている。という人もいるでしょう。他にも、交友関係を周りに誇示するためや、優越感があるからなど、さまざまな感情がありますが、それらは儚いものです。もちろん、それはそれで自由です。しかし、それらはいつか消えて無くなる関係だということを知っておくことが大切です。


わかりきっていることですが、損得関係なしに付き合える人が本当に大切な人です。大切な人だからこそ大切にすべきです。しかし、身近にいる大切な人ほど適当に接していることがあります。日々過ごしていると気付きにくいことではありますが、何のために生きているのか、明日死ぬとすれば、本当に今の人付き合いが大切なのか。大切な人を大切にしているか。考える時間が必要です。


損得関係ない人付き合いは、歳を重ねれば重ねるほど大切だと気付くでしょう。しかし、大抵の場合、気づいたときには定年後で手遅れになっています。ふと見渡せば、自分の周りには損得関係の付き合いだけが残っていて、真の友人はいません。幸い、私は引退が早かったのでその大切さに気づくことができました。当然のことですが、大切な人達を大切にしていきます。