私は基本的にお金を貸すことはありません。それは相手のためであり、自分のためでもあります。
お金を借りたい場合、相手のバランスシートは大抵傷んでいます。純資産に余裕がないか、最悪の場合は債務超過になっています。その状態で、さらに借入をして負債を増やすということは、そもそも自殺行為なのです。根本的な解決をしないかぎり、負債が膨れるだけであり、さらにバランスシートが傷みます。お金を貸すということは、私にとっては資産ですが、相手にとっては私に返す義務がある負債だからです。
つまり、さらなる深傷を負わせないためにも、お金を貸さないのです。実際、亡き父にも金を工面してほしいと言われた時期がありましたが、もちろん断っています。それは根本的な解決にならずに、負のスパイラルになるからです。出血を止めることが先決です。これらの理由が相手のためにお金を貸さないという意味です。
次の理由として、自分のためでもあります。お金を貸せば、次もお金を貸してほしいと頼まれることがあります。それはいつまで続けられるのでしょうか。永遠に貸し続けることはできません。そして、ついに断る瞬間が訪れます。その時、「今まで貸してくれていたのに、何故貸してくれないのか。薄情だ」と恨まれることになります。お金の貸し借りの関係が深くなればなるほど、それが破綻した時に憎しみを抱きやすくなるものです。
お金を貸さない。ということで正直心苦しい時はあります。しかし、それはそもそも根本的にお金の流れを改善させるべきなのです。負債を増やす手伝いをしたくはありません。