資産防衛の日々

専業投資家:独自のルールに基づき割安成長株に中長期投資をしています。臨床工学技士として病院に勤めて4年後に「専業投資家」として独立。宝塚ファン。

損得で付き合う人間関係は生ゴミと一緒:picul Lifehack 投資家のライフハック

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人は、誰かと話したり友人関係になる上で、無意識下で損得計算することがあります。「この人と友人になればどんなメリットがあるやろう。有名な人やから仲良くなりたい。この人は金持ちや。凄い人や。」色々な感情が無意識下で働いています。実際、人付き合いしていればわかります。貧乏な人や社会的地位が低い人をぞんざいに扱って、金持ちや有名な人ほど、大切にしようとする人をよく見ます。しかし、そういう小ざかしい損得計算を続けていれば、真の友人は見つかりませんし、いずれ自分にも死が訪れることを考えれば虚しさしか残りません。さらに、損得関係しかない相手は生ゴミと一緒で、メリットがなくなればすぐに腐って消えていきます。必要ないから捨てるのです。しかし、それは裏返せば自分も損得関係の付き合いをしているので、自分も生ゴミと一緒なのです。


自分がのし上がるために、仕方なく損得計算をして人付き合いしている。という人もいるでしょう。他にも、交友関係を周りに誇示するためや、優越感があるからなど、さまざまな感情がありますが、それらは儚いものです。もちろん、それはそれで自由です。しかし、それらはいつか消えて無くなる関係だということを知っておくことが大切です。


わかりきっていることですが、損得関係なしに付き合える人が本当に大切な人です。大切な人だからこそ大切にすべきです。しかし、身近にいる大切な人ほど適当に接していることがあります。日々過ごしていると気付きにくいことではありますが、何のために生きているのか、明日死ぬとすれば、本当に今の人付き合いが大切なのか。大切な人を大切にしているか。考える時間が必要です。


損得関係ない人付き合いは、歳を重ねれば重ねるほど大切だと気付くでしょう。しかし、大抵の場合、気づいたときには定年後で手遅れになっています。ふと見渡せば、自分の周りには損得関係の付き合いだけが残っていて、真の友人はいません。幸い、私は引退が早かったのでその大切さに気づくことができました。当然のことですが、大切な人達を大切にしていきます。

#3 ビジネスモデルの強みを知る:中長期投資マニュアル


【1】注意事項

1.当記事は2017年3月14日Amazonで出版した「中長期投資マニュアル」をアップデートしていく連載となります。アップデートする理由としては、伝えきれていない箇所がたくさんあると感じたからです。このままでは個人的に気持ち良くないので、現在出版を止めています。ブログで内容をアップデートしていきます。

2.ベースは中長期投資マニュアルと変わりません。

3.中長期投資マニュアルはあくまで私のマニュアルですので推奨するものではありません。私のやり方で使えると思った箇所だけ使ってもらえればと思います。私が正しいわけではありません。投資家それぞれ勝ちパターンを持っているからです。自分のやり方を大切にしてください。

4.各記事で銘柄を挙げることがありますが推奨ではありません。2017年3月出版時に掲載した銘柄も再度検証します。しかし、それだけでは古い感じが残ってしまうので、新規の銘柄も掲載します。


【2】今回の記事で例に挙げる銘柄

[2017年3月出版時掲載銘柄]
カルビー(2229)
コスモス薬品(3349)
ウィルグループ(6089)
日本M&Aセンター(2127)
全国保証(7164)
エリアリンク(8914)
日本管理センター(3276)

[2020年5月追記銘柄]
アルヒ(7198)
アルテリアネットワークス(4423)
イオンフィナンシャル(8570)

【3】良いビジネスモデル

私の中長期投資は数ヶ月〜1年、長くなると数年単位で株を保有し、資産を形成することが目的です。焦ると資産は増えません。そのために業績の裏付けとなるビジネスモデルが良い会社を選びます。 私にとっての​良いビジネスモデルとは、 1.ビジネスに強みがあり、儲けの仕組みがしっかりしている ​ 2.売上成長余地があるこの2つを同時に満たしていることが条件です。しかし、これらはベースです。絶対ではありません。株式投資は応用すべきときもあるのです。例えば、売上成長余地を考えてみます。企業によっては、見かけ上の売上が減っていても、セグメントで成長している分野があり、実は有望の会社もあります。見かけ上の売上減少に騙されないで、セグメントもキチンと分析することが大切です。そして、大事な事があります。いくらビジネスモデルが良くても、業績や財務、バリュエーションなどが良くなければ株を買う意味はありません。なぜなら株価というのは、業績やバリュエーションによって常に変動するからです。有利なときに買わなければ意味がありません。ビジネスモデルは一つの選ぶ指標にすぎません。素晴らしいビジネスの仕組みを持っているからも言って、それで株を買えば良いほど単純ではないのです。

【4】儲けの仕組みと強みを知る

それでは、例を挙げてどんなビジネスに強みがあるのか考えていきます。以降説明しているのはあくまで一例であり、非常に単純に分けています。他にもたくさんビジネスの仕組みがあるので勉強することをお勧めします。

①圧倒的なブランド力がある
ブランドと言ってもファッションとは限りません。「あのメーカーの △ △が欲しい」「同じような所もあるけれど、 △ △に行きたい」と思うような、製品やサービスが”ブランド”です。圧倒的なブランド力があれば強みになります。日用品にも普段利用しているカフェやレストランにもブランドはありますし、普段は目にしない町工場の部品にもあるでしょう。つまり、業種に関係なくブランドは存在します。ブランド力を活かして、他社同製品より価格を上げても売ることができていれば、儲けの仕組みがしっかりしていると言えます。

2017年3月出版時掲載銘柄のカルビー( 2229)はポテトチップスで有名な会社です。スーパーマーケットに行って、お菓子売り場にカルビーのポテトチップスが置いてなかったら、不思議に思いませんか。カルビーのポテトチップスはだれもがお菓子売り場で浮かぶ商品なので、ブランドを持っています。もちろん、「圧倒的なブランド力があれば、投資してもよい」ということではありません。2つめの条件の「売上成長余地」も必要ですし、後に説明する業績、財務、計画の進捗率、バリュエーションも見ることが重要です。あくまで例として銘柄を挙げています。その後、ブランド力は健在ですが、業績が伴っておらず1株益も横ばいです。これでは株価が上がりようがないので、1株益を伸ばすビジョンが必要です。


②規模が大きい  
市場占有率が高い似たような製品であふれている場合、生産力や調達力などの規模が大きい会社が有利になります。このような、品質での差別化が難しく、どれも似たような製品を「コモディティ商品」と言います。例えば、歯ブラシ、ゴミ袋、包装紙などです。コモディティ商品の場合、消費者は少しでも安い物を買う傾向が強いので、価格競争になり会社の体力勝負になります。こうなると、必然的に規模が大きい会社が有利になります。規模が大きい会社は、買付コスト、物流コスト、販売網などでメリットを活かして低価格勝負を実行します。低価格勝負では、小さい会社は太刀打ちできません。また、市場で占有率(シェア)が高いとビジネスは有利に進みます。製品の購入やサービスの利用を考えたとき、最初にシェアが高い商品やサービスが頭に浮かぶからです。例えば、地域を独占しているスーパーマーケットやドラッグストアは、市場占有率を高め顧客の囲い込みに成功することが大切です。

2017年3月出版時掲載銘柄のコスモス薬品(3349)は九州を地盤にドラッグストアを展開している会社です。 2010年 3月 30日の株価は 1, 932円でした。 2010年当時、規模が大きいメリットを活かし低価格にでき、さらにドミナント戦略を駆使してシェアを拡大し続けていました。売上成長余地もあったので、良いビジネスモデルでした。 2016年10月には株価高値は 23, 750円を記録しています。今のところ、2017年以降も業績は右肩上がりで、それに伴い株価も分割をこなして上昇しています。分割考慮後の2010年3月株価終値1,007円、2017年3月株価終値10,870円、2020年5月株価終値15,470円です。なんと2010年3月から15倍以上になっています。


③スイッチングコストが高い
スイッチングコストとは、他のサービスや製品に切り替える際の費用と手間です。スイッチングコストが高い場合、顧客は他社へ切り替えにくく、顧客を囲い込むことができるという強みになります。例えば、クレジットカードで公共料金や携帯電話料金の引き落としをしていたら、他のクレジットカード会社に切り替えるには手間がかかるので躊躇します。同様に、携帯電話の切り替えも手間がかかるのでスイッチングコストが高いといえます。

2017年3月出版時掲載銘柄のウィルグループ(6089)は人材派遣や業務請負等の人材サービスを展開している会社です。同社は、一般派遣、ハイブリッド派遣、業務請負、というサービスを提供しています。一般派遣は通常の派遣と同様なのでスイッチングコストは低いですが、ハイブリッド派遣と業務請負は、その仕組みから顧客との結びつきが強固になります。簡単に説明すると、ハイブリッド派遣は同社の正社員が常駐し、他の派遣スタッフを指揮し現場の中核的存在になっていきます。業務請負は、その名のとおり業務自体を請け負います。そのため、同社のハイブリッド派遣と業務請負はスイッチングコストが高く、他社に切り替えにくいビジネスモデルだと言えます。 2017年3月株価終値945円だったのが、2018年2月株価高値2,139円までありましたが、2020年4月株価終値は649円です。コロナショックにより、急速な景気悪化を見越しているのです。人材関連は、景気悪化に弱いのです。


④トールゲート(関所ビジネス)
何かをしようとした際、その製品やサービスを利用せざるをえないビジネスのことです。企業や消費者が利用する毎に儲かります。

[2020年5月追記銘柄]アルヒ(7198)はフラット35で圧倒的なシェアを誇る会社です。一般的に家を買うときにはローンを使うわけですが、そのときに固定金利のフラット35という手段があるのです。フラット35の市場は毎年安定しているので、同社のシェアが上がれば上がるほど関所となり手数料が入る仕組みです。他にも回収業務や受託ビジネスなどを手掛け、ローン帝国を築きつつあります。2020年4月株価終値は1,268円です。

出版時2017年3月掲載銘柄の日本M&Aセンター(2127)は中小企業向け M& Aで圧倒的な存在の会社です。 M&Aには専門的な知識が必須になるので、専門の会社に依頼することになります。同社は全国規模にネットワークを持っていて、後継者問題を抱えている全国の中小企業から依頼があります。 今のところ、2017年以降も業績は右肩上がりで、株価も2017年3月終値1,810円だったのが、2020年4月株価終値は3,555円です。相場が落ち着いてきた本日終値は4,330円です。

出版時2017年3月掲載銘柄の全国保証( 7164)は民間金融機関の住宅ローン向けに保証事業を手掛けている会社です。独立系では最大手となっており、ほぼすべての業態の金融機関と提携しています。最近では保証会社を通して住宅ローンを借りることが増えています。家を購入する際の関所ビジネスと言えます。今のところ、2017年以降も業績は右肩上がりですが、株価は3,500〜5,000円を挟んでのレンジです。


⑤ストックビジネス
ストックビジネスストック( stock)とは「蓄える」という意味です。会員を確保することや顧客と契約を結ぶことで、継続的に利益を得ることができます。会員や顧客を増やすことで、積み上げ式に収益が増えていきます。例えば、通信事業、電力・ガス事業、介護事業、塾事業などがストックビジネスと言えます。

[2020年5月追記銘柄]アルテリアネットワークス(4423)は光ファイバー網を保有して通信サービスを展開しています。売上の90%以上はリカーリング型で月次請求となっています。つまり、継続的に利益を得る安定したストックビジネスの代表的な会社です。2018年12月上場直後の株価は1,000〜1,200円で揉み合っていましたが、契約の積み上げにより、業績は拡大して、株価も右肩上がりで2020年5月終値株価は1,983円です。

[2020年5月追記銘柄]イオンフィナンシャルは(8570)は銀行やクレジットカードを展開しています。国内と海外で順調にカード会員を増やし、継続的に利用してもらえるビジネスが拡大しています。サブスクリプションではありませんが、会員は継続的にクレジットカードを利用してくれます。2020年コロナショックにより、急速な業績悪化を織り込み株価は1,000円近辺とリーマンショック水準まで落ち込みました。貸し倒れで利益が吹っ飛ぶ可能性があるからです。しかし、これらは一過性の問題であり、同社が潰れなければ問題がありません。2020年4月株価終値は1,130円です。

2017年3月出版時掲載銘柄のエリアリンク(8914)は収納用のコンテナなどのストレージ事業を展開している会社です。立地に応じた設備を設置することで、利用者から定期的に賃貸収入を得ることができますが、一時攻めの姿勢でストレージの販売に舵を切りました。その勢いもあり、2017年3月終値1,485円だったのが、2018年5月高値は4,225円まで急騰しました。しかし、当然、その販売の勢いは続かず、期待が剥がれ株価は急落。原点に戻り、ストックビジネス重視に舵を切った同社の株価は、2020年4月終値893円まで調整しました。株は買ったら終わりではなく、継続的に調査する重要性が分かります。

2017年3月出版時掲載銘柄の日本管理センター( 3276)は賃貸住宅の一括借上げを提供している会社です。顧客との契約が続くかぎり、継続的に収益を得ることができます。株式分割を考慮すると、 2014年には 500円付近だった株価が 2015年には一時 2, 000円以上にまで上昇しています。​その後、 2017年 1月に 1,350円付近まで下落調整しています。大きな株価上昇のあとに大きな下落調整が訪れています。その後、売上は伸びていますが、利益は横ばいです。株価も横ばいとなっています。

中長期投資は「良いビジネスモデルの株を買えば終わり」ではありません。継続的に調査して、状況が変わらないのか注視するのです。会社の状況は変わります。それに適応していく必要があるのです。状況が変わればオサラバです。2つめの条件の「売上成長余地」も必要ですし、後々説明する業績、財務、計画の進捗率、バリュエーションも見ることが重要です。さらに、株価が上昇することで、割高になれば利益確定もしていきます。そして、また割安になれば買い戻せばいいのです。売買手法については後々説明します。

スタバのソーシャルディスタンスが快適すぎる!

皆さん、お疲れ様です。久しぶりに天満橋スターバックスを利用したのですが、ソーシャルディスタンスで椅子や席が少なくて、店内の利用が快適過ぎます。元々、スタバに限らずカフェの席と席の間隔は狭すぎだと感じていました。通常モードでもこれくらいの間隔だとありがたいです。でも、このソーシャルディスタンスを続けていれば減収確実です。いくら消費マインドが復活しても、席が少なければ前年と同じような客数は無理だからです。ソーシャルディスタンスがなくなれば、飲食業の本格的復活が始まるでしょう。


さて、相場は極めて堅調です。大底からの反発過程では、簡単に利益確定せずに安く手に入れた玉を握りしめ続けるのが私の定石です。分割利益確定をしないのか?と言われそうですが、分割利益確定すべき時と、しない方がいい時があるのです。大底からの反発過程では、なんらかのショック安があるまでは利食いはせずに引っ張れるだけ引っ張りたいと思います。もちろん、私のルールなので正解とかではありません。

#2 ディフェンシブ株と景気循環株:中長期投資マニュアル

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【1】注意事項

1.当記事は2017年3月14日Amazonで出版した「中長期投資マニュアル」をアップデートしていく連載となります。アップデートする理由としては、伝えきれていない箇所がたくさんあると感じたからです。このままでは個人的に気持ち良くないので、現在出版を止めています。ブログで内容をアップデートしていきます。

2.ベースは中長期投資マニュアルと変わりません。

3.中長期投資マニュアルはあくまで私のマニュアルですので推奨するものではありません。私のやり方で使えると思った箇所だけ使ってもらえればと思います。私が正しいわけではありません。投資家それぞれ勝ちパターンを持っているからです。自分のやり方を大切にしてください。

4.各記事で銘柄を挙げることがありますが推奨ではありません。2017年3月出版時に掲載した銘柄も再度検証します。しかし、それだけでは古い感じが残ってしまうので、新規の銘柄も掲載します。

【2】ディフェンシブ株と景気循環株

銘柄を調べる時、第一にビジネスモデルを確認します。ようするに儲けの仕組みです。どのようにお金を儲けているのか確認するのです。そこで強みがあればあるほど、業績の裏付けとなり、安心して保有することができます。①ビジネスモデル、②業績、③財務、④バリュエーション、⑤計画の進捗率、これら5項目の最初の項目となります。後々説明しますが、これら5項目はあくまでベースのルールとなります。当然、投資はその時々によって、応用が必要になってきます。しかし、ベースがあっての応用なので、私はこのベースを大切にしています。

ビジネスモデルを考える前に、最初にディフェンシブ株なのか、景気循環株なのかどうかを把握するとよいでしょう。他にも外需や内需といった分け方もありますが。私の場合はディフェンシブ株か景気循環株なのかどうか意識します。ディフェンシブ株とは、業績が景気動向に左右されにくい株式のことをいいます。景気後退期であっても業績が大きくぶれないので、防御力に優れているビジネスモデルを持っています。生活していく上で必要な製品やサービスを展開していることが多く、生活必需品や社会インフラのビジネスに多いです。例えば、日用品、食品、電力やガス、鉄道、医療、などのビジネスです。”ディフェンシブ”という言葉から、「成長が止まっている」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。ディフェンシブ株で成長を続ける会社はたくさんあります。 景気循環株とは、業績が景気動向の影響を受けやすい株式のことをいいます。そのため、株価も景気の影響を受けやすいです。自動車、鉄鋼、電機電子機械、工作機械、運輸産業などが代表的です。 そのため、景気の最悪期から回復するときには非常にダイナミックな株価上昇が待っています。その反面、景気が悪化するときには、非常に大きな株価下落が待っています。よって、まずはその会社が、「ディフェンシブ株」なのか「景気循環株」なのかを知って、ポートフォリオが攻守バランス取れているか大切にしています。ここで攻守とは、ディフェンシブが守りで、景気循環株が攻撃ということが絶対ではありません。ディフェンシブが攻撃になるときもありますし、防御になるときもあります。さらに、景気循環株が防御となりえるときもあります。時と場合によるのです。一般的にディフェンシブは防御力に優れてると言えるでしょう。

【3】実際の銘柄で考える

(2020年5月追記銘柄)キュービーネットホールディングス(6571)は低価格ヘアカットのQBハウスを世界展開している会社です。人類の髪の毛は10年後も毎日伸び続けます。さらに景気が悪くても関係なく低価格ヘアカットは利用されるのでディフェンシブといえます。直近、新型コロナウイルスの影響で月次が落ち込んでいますが、これは一時的要因です。2020年4月株価終値は1,843円です。

出版時2017年3月掲載銘柄のエイアンドティー( 6722)は臨床検査機器を販売している会社でディフェンシブ株です。「不景気だから病気が減る」ということはないので、ディフェンシブ株と言えます。さらに、同社は売上成長が続いています。出版時2017年3月の終値株価は827円です。その後、2020年1月に1,930円の高値をつけて、2020年4月終値は1,614円です。(中長期投資は株を買ったら終わりではありません。株を買ってからも継続的にビジネスモデル、業績、財務、バリュエーションや市場の環境などをチェックして、問題がなければ保有するのです。さらに私の場合、分割利益確定という技術を使って、相場の頭としっぽはくれてやります。当初描いていた、ストーリーから外れたらその銘柄とはオサラバすればいいのです。※株価はその後の値動きを調べるために書いているのであって、出版時に推奨しているわけではありません。あくまで説明のために利用しています。)

出版時2017年3月掲載銘柄のトヨタ自動車( 7203)は代表的な景気循環株です。 出版時2017年3月の終値株価は6,042円です。その後2020年2月に8,026円の高値をつけて、2020年4月終値は6,666円です。2017年3月から2020年4月まで、おおよそ6,000円〜8,000円の値幅を上下しながら推移していました。まさに景気循環株です。

他にも、両方の特徴を持つこれら2つの特徴を併せ持つ会社も存在します。ディフェンシブの特徴を持っていながら、景気の影響も受ける会社です。不動産会社を例に考えていきます。会社で所有している土地でコインパーキング事業をしているとします。コインパーキング事業は不景気でも日々利用されるため、ディフェンシブ株の特徴があります。なお、ディフェンシブ株の特徴を持つためには、エリアを限定したりなどして、安定した経営をしていることが重要です。一方、土地や建物の販売事業は不景気だと売れにくくなるため、販売事業は景気循環株の特徴と言えます。この会社の売上構成比が、コインパーキング事業 50%・販売事業 50%といったように「ディフェンシブのビジネスと景気循環のビジネスがほぼ同程度」であれば、ディフェンシブ株と景気循環株の2つの特徴を持っていると言えます。仮に、コインパーキング事業 10%、販売事業 90%といったように、売上構成比に偏りがあれば偏りが大きい方の特徴が強くなります。

出版時2017年3月掲載銘柄のダイオーズ( 4653)はオフィスへの継続サービスを提供している会社です。代表的なサービスはオフィスコーヒーです。景気後退時は新規契約が結びにくくなったり、解約があるため景気の影響を受けますが、継続的に売れる商材を扱っているため、基本的にストックビジネスでディフェンシブの特徴を持っています。実際、金融危機も乗り越えて成長し続けています。 出版時2017年3月の終値株価は1,050円です。その後、2019年9月に1,647円の高値をつけて、2020年4月を終値は1,030円です。COVID-19の影響により、テレワークが進みオフィスの解約も少しづつ出ているので事業環境は良くありません。(中長期投資は株を買ったら終わりではありません。株を買ってからも継続的にビジネスモデル、業績、財務、バリュエーションや市場の環境などをチェックして、問題がなければ保有するのです。さらに私の場合、分割利益確定という技術を使って、相場の頭としっぽはくれてやります。当初描いていた、ストーリーから外れたらその銘柄とはオサラバすればいいのです。※株価はその後の値動きを調べるために書いているのであって、出版時に推奨しているわけではありません。あくまで説明のために利用しています。)


#1 はじめに:中長期投資マニュアル

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【1】注意事項

1.当記事は2017年3月14日Amazonで出版した「中長期投資マニュアル」をアップデートしていく連載となります。アップデートする理由としては、伝えきれていない箇所がたくさんあると感じたからです。このままでは個人的に気持ち良くないので、現在出版を止めています。ブログで内容をアップデートしていきます。

2.ベースは中長期投資マニュアルと変わりません。

3.中長期投資マニュアルはあくまで私のマニュアルですので推奨するものではありません。私のやり方で使えると思った箇所だけ使ってもらえればと思います。私が正しいわけではありません。投資家それぞれ勝ちパターンを持っているからです。自分のやり方を大切にしてください。

4.各記事で銘柄を挙げることがありますが推奨ではありません。2017年3月出版時に掲載した銘柄も再度検証します。しかし、それだけでは古い感じが残ってしまうので、新規の銘柄も掲載します。


「中長期投資マニュアル」

【2】はじめに

おめでとうございます。
突然わけがわからないかもしれませんね。多くの人は現状に不安があっても愚痴を言ってるだけです。「会社が悪い。政府が悪い。予測不能なコロナショックだ。」その愚痴は無意味です。

現状を変化させたいと思ったら、今までと違う行動をとる必要があります。愚痴を言ってる暇はありません。そんな暇があれば、次のステージに向かうために必死で行動すべきです。今までと同じことをしていたら、今までと同じ結果が待っています。それは原理原則です。さらにそのような愚痴を言っている人からは遠ざかるべきです。少なからずとも自分の頭に刷り込まれるからです。どうでもいい情報を頭に入れるのは時間の無駄です。

しかし、あなたは違います。中長期投資を真面目に学ぼうとしています。新たな一歩を踏み出そうとしています。もしくは、すでに株式投資で成功しているにもかかわらず中長期投資マニュアルを読もうとしている方もいるでしょう。「どんなに小さいことでも吸収してやる。」そういう気迫を持った方がたくさんいることを知ってます。もちろん、自分にとって役に立たない箇所は捨てればいいのです。役に立つ箇所だけ抜き取ってください。株式投資をしていて、うまくいかなかったり、成功する自信がなかったりする人は少なくありません。私もそうでした。今でも日々勉強の連続です。この勉強は生涯続くでしょう。これは努力ではありません。息を吸うように当たり前のことです。

さて、私の株式投資の手法と考え方を知っていただく前に自己紹介をします。ペンネームではありますが、 piculと申します。子どもの頃から漠然とお金持ちになりたいと思っていました。裕福な家庭ではありませんでしたし、両親は離婚していました。医療系ならお金持ちになれるだろうという考えで、高校を卒業後、臨床工学技士の医療専門学校に進学しました。ところが在学中に気づきました。「このままでは、自分の思っているお金持ちにはなれない。」と。私のイメージしていたお金持ちとは、自分の好きな時に海外に行けて、リゾートを満喫したり、サファリを楽しんだりできることでした。そんな頃、ロバートキヨサキ著の「金持ち父さん  貧乏父さん」を読んで衝撃を受けました。”お金に働いてもらう”という考え方を知ったのです。ここから私の人生が大きく変わりだしました。ありとあらゆるセミナーに通い、膨大な投資や経済関連の書籍を読みました。専門学校に通いながら必至でアルバイトをしてお金を貯め、そのお金で投資を始めました。卒業後は、病院に就職して給料の半分を証券口座に入金し、ウォーレン・バフェット氏とピーター・リンチ氏から学んだ方法で、投資に励みました。受け取る配当金や値上がり益もすべて再投資し、 4年後に投資家として独立することができました。高校卒業をしてから投資を始めたので、8年かかったことになります。ちなみに震災翌年の2012年7月に独立しました。

その結果、投資家として自由な時間を手に入れました。”ファイナンシャルフリー”の状態です。したいことをすることができて、したくないことはしない生活を送っています。 ​これは大事なポイントです。私はストレスを避ける生活をしたいのです。それは個人の選択の自由です。自分で選ぶことができるのです。それができたのは、すべて投資のおかげです。 ​その投資のすばらしさを共有したいと思い、この本を書きました。

私の投資手法を一言で表すと「割安成長株への中長期投資」です。それを、「銘柄分析」「買付手法」「売却手法」「リスク管理」「マインド」の順に書いています。なお、短期売買の手法は書いてなく、あくまで中長期投資の本です。「そもそも中長期投資の定義はなんだ!」と疑問の声が聞こえてきそうですが、世界標準で定義が決まっているわけではありません。投資家それぞれが自分の主観で決めているのです。私の場合は、数ヶ月以上保有し続けて、状況が変わらないかぎり保有し続けて長ければそのまま年単位で保有する考え方です。その間保有している株の売買をすることもありますし、長期で保有したい場合は全く株を売買しないで、会社の状況だけを監視することもあります。具体的な考え方については次回以降書きたいと思います。何度も申し上げますが、中長期投資マニュアルはあくまで私のマニュアルです。投資家それぞれ正解がありますので、役立つと思う箇所だけ抜き取っていただければと思います。

日々のニュースに一喜一憂しない。一喜一憂すればミスターマーケットに踊らされる

皆さん、こんばんわ。


日々、様々なニュースが流れてきます。それは個別銘柄のネタであったり、疫病の話であったり、世界が滅亡するニュースです。そういうニュースを見て、一喜一憂してはいけません。一喜一憂すれば、楽観して高いところで買ってしまい、悲観して安いところで売ってしまうことになります。いわゆる、ミスターマーケットに躍らされることになるのです。ミスターマーケットは、自分が呼んでもいないのに、何度追い返しても、次の日には違う株価で株の売買を提案してきます。ミスターマーケットは、情緒不安定で感情的な行動をとりがちです。相場が暴落しているときには、失望して安い株価で株を売りにきます。暴騰している時には、楽観的でさらに株価が上がりそうだと高い値段で株式を売りつけにきます。こうして相場は、理性を失って弱気相場や強気相場となります。


もちろん、高いところで買ってさらに高いところで売る。安いところで売ってさらに安いところで売る。こういう手法もあります。他にも、臨機応変に売買することも考えられるでしょう。しかし、今回はそういう話ではありません。”一喜一憂”することが危険だということです。一喜一憂すれば感情優位の取引になるからです。


私は投資ビギナーのころ、ミスターマーケットに振り回されていました。株価が上がっているときは、自分の心が明るくなり、株価が下がってくると自分の心が暗くなるのです。これは実にバカバカしいです。命をとられるわけではありません。身内が殺されてしまうわけでもありません。


株価は変動するものです。そして、変動すれば自分のルールに基づき冷静に売買すればいいだけです。売買する必要があれば売買をして、なければ読書や適時開示、会社調査に時間を費やせばいいのです。売買しない時間も立派な仕事です。売買していないと気がすまないという事もあるかもしれませんが、それは少し改善の余地があるかもしれません。売買に自分の気持ちは不要だからです。


株価は短期的には需給で決まります。しかし、中長期的には会社のファンダメンタルズに基づきます。そこを理解したら、自分がどのスタンスで挑むのか明確にしておきます。自分のスタンスが明確になれば、株価の変動を利用することができるのです。株価の変動やニュースというのは一喜一憂せずに利用するものです。


追記
私の親友がコロナ病棟で闘ってます。許可をもらったので写真載せてます。それからECMO(エクモ)の写真です。ECMOについては、新型コロナのニュースなどで、知った方も多いと思いますが、呼吸と循環に対する対症療法です。



極端なボラテリティが過ぎ去り落ち着きを取り戻しています。

極端なボラテリティは過ぎ去り、ようやくポートフォリオの変動も平時に戻りつつあります。決算を見てると、当たり前ですが、多くの企業は来期の業績が見通せなかったり、大きな下ぶれを経験しています。しかし、平時の業績で考えると、非常にお買い得な案件がたくさんありました。その企業自体に問題があるのではなく、経済全体がダメージを受けたり、市場全体のクラッシュに巻き込まれたりして株価が暴落した場合、後々大きなチャンスになります。(業績好調な銘柄だけでなく、あえて減益の銘柄もポートフォリオに組み込むのがミソです。)配当を貰いながら待ちたいと思います。今回、3月の地銀の投げ売りのおかげで、久しぶりにREITを手に入れる事ができました。大きな含み益になりつつありますが、これはしばらく大切にしたいと思います。


【日経マネー】2020年 個人投資家調査 ご協力のお願い
https://xsurvey.nikkeibp.co.jp/researches/C1330010450e6?aid=MONN15日経BP/日経BPコンサルティングアンケート回答サイト

他人と比べてはいけません。

皆さんお疲れ様です。ついに非常事態宣言となりました。正直、今回の安倍政権には失望しています。戦力の逐次投入をしていたり、スピード感がなかったりで本当に最悪です。しかし、人のせいにしていてはダメです。当初から分かりきっていることですが、病気より経済で多くの人が死にます。この国難を乗り切るために私も頑張ろうと思います。

さて、相場の方ですが、ここまでボラテリティが激しいと儲かっている人はとことん儲かっていますし、損してる人もとことん損しています。こういうときは儲かっている人はメディアで目立ちます。しかし、比べてはいけません。ライバルは自分です。自分の投資方針や手法、投資対象にフォーカスするのです。他人のパフォーマンスは関係ありません。焦って、普段やらないようなことをやってドツボにハマってはいけません。それでも他人が気になるという方がいれば安心してください。儲かっている人はごく一部。証券会社のデータでわかることですが、ほとんどの投資家はこういう暴落相場で資産を減らしています。資産を減らしている人の声は届きにくいものです。増やしている人はごく一部です。市場の極端なボラテリティに惑わされないことが大切です。焦って、極端な投資行動をとっていないかぎり、このボラテリティは誤差です。

ちなみに、私がポートフォリオ運用を大切にしているのはこういう異常事態に備えるためです。数銘柄に集中していたら、最悪一瞬で溶けることがあるからです。もちろんポートフォリオで運用していても、暴落があれば、一緒に暴落に巻き込まれます。しかし、それは市場の変動です。個別要因ではありません。市場の変動は時間と共に消化されていくから問題ありません。

もちろん、今回の新型コロナの影響で、あきらかに大きな影響を受ける銘柄は、コロナ相場が始まってから損切りしています。逆に影響をほとんど受けない銘柄は全くポジションを動かしていません。

そして、暴落相場で新規に買付たのは、保有している銘柄ではなく、REITや普段買えないような大型の優良株です。 暴落相場で保有している銘柄をナンピン買いするのは危険だからです。これは以前記事に書いたとおりです。それから巣篭もり消費などの特需関連の銘柄も買っていますが早期に反発しているので、こういうのはやはり強いなと感じました。REITは3月中旬、地銀の投げ売りのおかげで安く買えたのが幸いしました。

もう一度申し上げますが、当初から保有していた、主力銘柄はストレートに暴落に巻き込まれました。それはそのまま保有しています。新型コロナの経済ショックの影響があるものは手放しました。結果として損切りです。投資パフォーマンスは勿論年初来マイナスです。これは市場のボラテリティの問題なので気にしていません。まだまだウイルス問題は解決していませんが、乗り切っていきましょう。